2016年秋、会社員しか経験したことがないけれど、「コーチングを学んでコーチとして起業しよう」と一念発起しました。会社員から個人事業主になることを決めたのです。
大学卒業後は、営業事務職を転々として約20年。会社から与えられた仕事を誠実にこなす毎日でした。職務のおかげで、突発的な仕事へ臨機応変に行動する能力は高くなったのですが、自ら率先して計画を立案・実行する能力は、まったく培うことができていませんでした。
コーチになる夢に向けて行動を始めたとき、最も頭を悩ませたことが、一日の時間や週・月・年単位のスケジュール管理でした。なぜ頭を悩ますことになったかというと、実は、会社員時代の私は、手帳を毎年使い切ることができないくらい、スケジュール管理に興味も関心もなかったからです。まったく、「自分らしく働いて笑顔になれるスケジュール管理術」を知らないありさまだったのです。
何度も生活が破綻しそうになりました。多岐に渡る学びと、SNSを始めとするビジネス活動と、広範囲にわたる交際活動。どれも必要なことですが、やることが増えるたびに時間は足りなくなるのです。このままでは、幸せな個人事業主になれそうにありません。切羽詰まる思いで、時間管理術と手帳管理術を学ぶことにしました。
今回のコラムでは、そこで学んだ知識と実践した結果を4回に渡ってご紹介します。このコラムが、同じようにスケジュール管理に悩まれているすべての女性のお役に立てると幸いです。
「時間の使い方は練習によって改善できる。だが絶えず努力しない限り仕事に流される」これは、マネジメント発明者のピーター・ドラッカーの格言です。時間管理術を学んで分かったことがあります。それは、時間を有効に活用することは、毎日の積み重ねによる「習慣化」がキーポイントだということです。そして、始める習慣はひとつからで良いのです。まったく知りませんでしたが、時間管理と習慣化は切っても切れない関係であり、無意識でやれるレベルにまでその習慣を身に付けるには、ひとつのことを毎日繰り返すことが近道なのです。
そして、やりたいことを日常に習慣付ける努力をし続けられる、「必要条件」を知りました。それは、私たちが生きていくために必要な最低限度の欲求を満たすことです。具体的に挙げると、「睡眠」「食事」「安心や安全」、この3つの生理的欲求の質をうまく管理することです。
生活が破綻していた当時を振り返ると、この3点にはまったく関心を払っていませんでした。やりたいことを詰め込む代わりに、「睡眠」は時間を減らして、「食事」は外食ばかりになっていました。また、初めて学ぶことが多く、どの集まりも一から関係を築かねばなりませんでした。そこには、慣れ親しんだ場所に感じる「安心や安全」な感覚はなかったのです。また、習慣化はひとつからスタートする、という基本も守れていませんでした。初めて学ぶことを、常に2~3つは抱えていたからです。
いよいよ、正しい考え方を使った時間管理の実践です。生活改善に取り組みました。最初に確保したのは、6時間の睡眠です。最低6時間寝ることで、日中、眠気に襲われることが減りました。ブログを書くなどの思考する作業に、集中して取り組めるようになったのです。食事も改善しました。外食や中食を減らし、簡単なものでも良いので手作りの食事をする回数を増やしたのです。内食を増やしたことで、主人と会話しながら食事する日数が増えました。「安心や安全」を感じながらゆったり過ごせる時間を、食事を改善することで同時に得ることができたのです。
毎日の地道な繰り返しによって、やりたいことを日常に習慣付ける努力をし続けられる「必要条件」を維持することができるようになってきました。時間管理術や手帳管理術を学んで得た知識を、日常に活かせられるようになってきたのです。ここまできたら、安心して「習慣化」に取りかかれます。無意識でやれるレベルにまでその習慣を身に付けるために、ひとつのことに絞ってやりたいことをスタートするのです。
次回のコラムでは、新しくやり始めた習慣についてお伝えします。脳のメカニズムを利用したもので、集中力を必要とする作業をするときに最大限の集中力を発揮できるようになる方法です。とても簡単な方法ですよ。どうぞお楽しみに。
written by 門屋綾(かどやあや)さん
フェルトセンスコーチング コーチ
https://www.feltsensecoaching.com/