『この地上で過ごせる時間には限りがあります。本当に大事なことを本当に一生懸命できる機会は、二つか三つくらいしかないのです。』とは、アップル創業者スティーブ・ジョブズの格言です。
3回に渡って、時間管理とスケジュール管理の考え方と方法をご紹介しました。
①スケジュール管理を円滑にするための「正しい考え方」(内容はこちら)
②最大限の集中力を発揮できるようになる簡単な方法(内容はこちら)
③仕事を見える化する方法(内容はこちら)
最後は、『執着を捨てて、やらないことを決める』大切さをお伝えします。
個人的にはやると決めるよりも、やらないと決める方がかなり難しいと感じています。長年やり続けて習慣化していることを止める場合は、執着もあるので、さらに決断し辛くなります。
しかし、多くのやらねばならないタスクを持っていると、そのうち、自分にとって「今一番重要なこと」が分からなくなってしまいます。置かれた状況の変化に合わせて、臨機応変にやる・やらない、を判断して、場合によってはやる時期を先延ばしするなど、相手と交渉していくことも必要だと考えています。
下記に「エッセンシャル思考」(グレッグ・マキューン著)という本で知った、3つの視点をご紹介します。沢山の瑣末な物事の中から、少数の本質的なことだけを選びとる考え方だそうです。
「やらなくては」ではなく、「やると決める」= 選択。
「どれも大事」ではなく、「大事なものはめったにない」= ノイズ(騒音)。
「全部できる」ではなく、「なんでもできるが、全部はやらない」= トレードオフ(捨てる)。
現代は、情報過多で変化が早く、人の価値観は多様化しており、あれもこれも欲しがることにあまり歯止めのない時代です。見えたり、聞こえたり、体験したりする全部を手に入れよう、期待に応えようとすると、疲弊するように思います。
何を選ぶか(選択)。何が大事か(ノイズ・騒音)。全部はやらない(トレードオフ・捨てる)。
この3つを適切に思考して決断するには、今この瞬間に何が重要かを考える能力が要ります。
普段やっている仕事を脇に置いて、趣味の遊びに興じたり、自然散策をしたりなど、五感をフル活用して自分らしさを取り戻すと、適切な判断がしやすくなるように思います。
また、執着を昇華するには、続けてきたことへの思い入れを書き出して、気持ちや考え方を客観視して、今の自分に必要なことなのかを判断する、という方法も役に立ちます。
様々な方法で仕事を見える化しながら、この瞬間の自分自身の感性を信じて、焦点を絞って進んでみる。進んだ先で、また軌道修正をする。この繰り返しこそが、自分らしく働いて笑顔になれるスケジュール管理術です。
時間管理は自己管理、と言われます。
「今この瞬間に、本当に重要なことは何か?」と自分自身に問い続けて、人生を充実したものに作り上げていきたいですね。
written by 門屋綾(かどやあや)さん
フェルトセンスコーチング コーチ
https://www.feltsensecoaching.com/