前回は、スケジュール管理を円滑にするための「正しい考え方」をご紹介しました(内容はこちら)。マネジメント発明者のピーター・ドラッカーの格言には、とても重要なことが示唆されています。「時間の使い方は練習によって改善できる。だが絶えず努力しない限り仕事に流される。」時間管理には、絶えず努力し続けることが必要なのです。簡単にできる方法でないと、継続することが難しくなってしまいます。
今回は、「集中力を必要とする作業をするときに、最大限の集中力を発揮できるようになる簡単な方法」をご紹介します。それは、「工夫して休憩を取る」ことです。具体的には「30分に10分の休憩」、または、「25分に5分の休憩」を取るのです。あまりに単純な方法すぎて、休憩を意識して取ることの重要性がよく理解できない人もいるかもしれませんね。
もともと動物は天敵から身を守るために意識を広範囲に向ける必要があり、集中力が高い状態は人間の動物的本能からしてむしろ不自然なのだそうです。また、脳のメカニズムではつらいことを避け、楽しむことを好む構造になっているそうです。集中してやらねばならない仕事が快調にできないのは、誰にとっても当たり前なことなのです。作業中に意識してこまめな休憩を取ることは、長期間に渡る労働に耐えられるように自分の体を調整する大切な行為です。
作業と休憩の時間を自分で制御して取ることの重要性を知る以前は、ブログを一つ書きあげるために二時間以上パソコンに向かい疲れ果てたあげく、他の仕事が何も手につかなくなることを繰り返していました。次々と溜まっていく業務にため息をつき、「私は能力が低い」と悩み、ブログを書くために考えることが「心の底からつらい」と感じていたのです。
さっそく「工夫して休憩を取る」実践です。学習した内容をノートに整理する、ブログを書くなど考える作業をするときに、キッチンタイマーで作業時間の終わりを告げるアラームのセットをしました。「30分に10分」「25分に5分」以外にも、作業と休憩の分数を変えて何度か試しました。今では私のベストな頭脳労働時間もわかりました。「25分に10分の休憩」です。25分間でパソコン作業などの頭脳労働をして、10分間で食器洗いや部屋を片付ける肉体労働をしています。仕事内容をまったく違うものに変えると、良い気分転換になります。考える作業に再び取り組んだときに、自然と新しいアイデアが湧いてくるのです。考えることと動くことのリズムを良いペースで維持できているときは、創造力が湧いてきて、整理しながら書く作業が格段に捗っています。
これで一つ一つの仕事に集中して、疲れることなく業務を片付ける方法は身に付きました。しかし、抱えている仕事全体の能率アップを図るには、気がかりなタスクをすべて見える化して、長期的に渡って進捗状況を管理する必要があります。そのうち「30分に10分の休憩」を習慣化したにもわからず、再び細々とした業務に追われるようになってしまいました。仕事全体の進捗状況を管理する手段を、まったく知らなかったからです。日ごとに疲労困憊する中で「個人事業主で働き続けるには、自分は無能すぎる。仕事を続けられるのだろうか。」と再び深く悩み出した私を、ある1冊の本が救ってくれたのです。
次回のコラムでは「ブレない自分軸で淡々と仕事を処理できるようになる」手法について、本から学んだ内容や実践したことをお伝えします。どうぞお楽しみに。
written by 門屋綾(かどやあや)さん
フェルトセンスコーチング コーチ
https://www.feltsensecoaching.com/